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ベトナムにいる技術者全員にSPIDERPLUSを使わせたい〜経済発展著しいベトナム市場で問われる品質、コスト、建設業の将来

2022年時点で平均年齢は33歳、著しい経済発展とともに建設投資も大幅な増加傾向を見せているベトナム。

同地に進出して25年以上のユアテック様ではODAに関するものから集合住宅まで幅広い実績をお持ちです。

ハノイ近郊で、世界中から投資のあつまる都市の、大型集合住宅現場を訪ねて、実際にSPIDERPLUSをお使いの現地スタッフの方々から同社設備課長、そしてハノイオフィスでは支社長にもお話を伺いました。

インタビューご協力:

YURTEC VIETNAM CO.,LTD 
杉本 哲様(ハノイ支社長)
今野善輔 様(設備課長、写真向かって左側)
VŨ NGỌC ĐA 様 (写真向かって左から2番目)
PHẠM VIỆT MINH様(写真向かって右から2番目)
LÊ DANH HUY 様 (写真向かって右側)

ー本日は現場の進行中にお時間をとってくださり、ありがとうございます。
始めに現場の皆様にお話を伺いたいのですが、これまでのご経験を含めて簡単に役割を教えてください。

HUY様(以下H):私はこの仕事を始めて1年です。
現場技術や検査、施工の監督業務や安全管理業務も行なっています。

SPIDERPLUSの活用は図面閲覧、工事の箇所を図面上にマークして作業者に渡したり、写真撮影と報告が大半です。写真は1日あたり100枚ほど撮っています。

DA様(以下D):私は建設業界で仕事をして11年が経ちました。
消防から空調まで、各種配管の業務を経て、現在に至ります。

SPIDERPLUSは図面や資料の閲覧のほか、資材の購入を依頼する時にも活用しています。
写真撮影は現場の施工不良箇所の確認や報告、工事前後の比較をエビデンスとして責任の所在を明確にすることにも役立てています。

ーありがとうございます。
では、SPIDERPLUSの導入前に課題に感じていたことはありましたか。

D:工事の検収書類に不備がある際、書類が整っていないとコンサルティング会社への報告ができなくなってしまっていました。

写真と図面の紐付けミスもあり、ノートから図面に転記する際に番号の付与忘れをしたまま作業を進めてしまって採番がずれる、なども起きがちなことで、SPIDERPLUS導入前は現場作業の工数も何かとかさんでいました。

ーSPIDERPLUSの導入によって、それらは解決されたと感じていらっしゃいますか。

D:図面に写真が紐づくことによって、先ほどお話ししたようなヒューマンエラーの防止に役立っています。また、帳票作成もボタン1つでできるため、早いです。

H:クラウドで情報共有ができるため、同じ場所にいない職人さんに指示を出したり、要望事項をお伝えできたりする点も、とても便利だと感じています。

いつも職人さんたちと同じ場所にいるわけではないため、離れているところからでも情報を伝達できるのは重要です。

同業者にも薦めたい操作性、ベトナム語サポートへの期待も

ーSPIDERPLUSの操作にはすぐ慣れましたか。

H:スマートフォンを操作する感覚で覚えることができました。
個別のシーンや機能に関しては、先輩から教えてもらうこともあり、そのほうが早く覚えることができると感じています。

D:先輩に教えてもらうと1分で覚えることができます!
また、UI設計もわかりやすいと感じていて、そのこともまた、操作習得のよい助けになっていると思います。


実際に現場でSPIDERPLUSを使っているところ

ー実はスパイダープラスでは、ベトナム語でのサポートをまもなく開始する予定です。
現場のお二人としては、ベトナム語サポートが加わることについて、どのような期待をお持ちですか。

H:ベトナム語のサポートが始まれば、操作を習得する助けになるでしょうし、ベトナム国内でのユーザを増やすことにも繋がるのではないかと思います。

D:現在はメールでの英語サポートを利用していて、その対応にとても満足しています。
ベトナム語サポートにも期待しています。

ーそれはとても嬉しいお言葉です。
SPIDERPLUSを使ったことで、仕事の効率に関して変わったことはありますか。

D:私はかつて、同じ現場で3人がかりで行なっていたことを1人でもこなせるようになりました。
忙しくはなったものの、出来ることが増えていることでもあり、自分自身の成長にとって良いこととして受け止めています。

H:私はSPIDERPLUSの活用によって空いた時間を、技術の報告や、問題点の洗い出しなどに使っています。
同じ建設業で働いている同年代の友人知人などにもSPIDERPLUSを紹介していきたいです。

建設市場の文化の違いをデジタルで乗り越える

ーありがとうございます。
本日は設備課長の今野様にもお時間をとっていただきました。
ベトナムの建設業界の特徴についてお話をお聞かせください。

今野様(以下K):私は2016年8月からベトナムにいます。
ベトナムと日本の文化の大きな違いとして、見せたがらない、という点が挙げられます。

日本では工事や検査について、仕様通りに行なったことのエビデンスを残して、帳票を作成して提出しますが、ベトナムではそうした証明、のようなものを見せることをあまりしない風潮があると思います。

また、新しいものへの抵抗が存外に強く、現場でのデジタル活用はまだまだこれからです。
その一方で、働く時間が長くなりがちで、休みも少ないことは実は日本の建設業と共通しています。

品質に関する受け止め方は、日本と違うことが色々ありますし、コミュニケーションミスも起きがちです。
なにかにつけて根気強く確認することが、日々の仕事では重要です。

ー興味深いお話です。
そうした文化背景の違いなどを踏まえて、SPIDERPLUSを導入する価値はどういった点にありましたか。

K:先ほどお話ししたように、なかなか見せたがらない隠す土壌ではありますが、日本発の建設業としてはエビデンスを残すことが重要です。

SPIDERPLUSは写真や図面など、必要な情報を残すことが出来ますし、関係者がSPIDERPLUSという共通のプラットフォームを介して見ることによって情報把握ができますし、SPIDERPLUS内で情報伝達が完結することでは、リスク対策にもなります。

もちろん、日本でSPIDERPLUSを使って、効果を実感していたことも、ベトナムで導入する要因のひとつです。

ー今野様の立場からご覧になり、SPIDERPLUSを導入したメリットはどのようなものでしょうか。

K:現地スタッフの仕事が効率化した、という点もさることながら、私のような各種工事を統括する立場の者がそれぞれの現場や工事の進捗状況を確認をするための、エビデンスをすぐに取り出すことができることにもメリットを感じています。

ベトナム建設市場の将来性

ーありがとうございます。
実は今回、ハノイ支社長の杉本様にもハノイオフィスにてお時間を割いていただきました。
貴社では、日系建設業者として、かなり早くからベトナム市場に進出されました。
ベトナム建設市場をどのように位置づけていらっしゃいますか。

杉本様(以下S):ベトナムは、当社にとって海外事業・アジアの主要拠点という位置づけであり、大変重要視しています。
当社は25年以上前からベトナムに事業を展開し、ODA案件、工業団地案件等から始まり、今はマンションなど多くの案件の設備工事を手掛けています。

同社がベトナム国内で携わっている現場の一部

ーベトナム建設業界において求められているものについて、お聞かせください。
まず、「品質」に対する需要はいかがでしょうか。

S:当社がベトナムに進出した当初は、日系企業のお客様が日本と同等の水準の品質を求めていました。
現在は経済発展に伴い、ベトナム国内の現地企業のお客様も、同様に品質を求めるところが増えてきた印象を受けます。

そういった中で、やはり日系建設企業は、その技術力の高さに対する信頼があり、ゆえに「品質」といえば日系建設企業であるという自負を持っています。
今回インタビューの現場となったところでも、高い品質が求められ、当社が設備工事を担当しています。

もちろん、ベトナム建設業界は発展をし、それに伴って現地の建設企業もしっかりと工事施工技術を積み上げてきていると感じています。

ーベトナムの建設業界においても「品質」への要求が高くなってきているのですね。
コストに関する受け止め方はいかがでしょうか。

S:日本と比較して材料費・労務費が今は安く、コストも当然重視されています。

もっとも、ベトナムでは経済が発展し、このまま人件費が相対的に安い状態が続くとは思えませんし、実際に年々増加していますので、コストとどのように向き合っていくのかも大きな課題と考えています。 

ーSPIDERPLUS導入の背景について、杉本様はどのようにご覧になっていますか。

S:「SPIDERPLUS」のようなツールは、業務の効率化、記録の正確性の担保、情報の共有、工事進捗の報告・承認といったところで大変役立つものであると考えています。

当社はもともと日本でも「SPIDERPLUS」を導入していました。

導入したばかりの頃はこれまでにない、全く新しいものということもあり、現場のスタッフをはじめとして戸惑いもありました。
実際に使いこなしてくると、「これなしではやっていけない」という風潮に変わっています。

同じことがベトナムでも必ず起きると思い、「こんないいものがあるのであればベトナムでも使いたい」と思い、SPIDERPLUSをベトナムで導入しています。

ベトナムにいる技術者全員にSPIDERPLUSを使わせたい

ーありがとうございます。
これまで、ベトナムの建設市場における品質やコストについて主にお話を伺いました。
これら2点についてもSPIDERPLUSはお役に立てているでしょうか。

S:当社は「品質」を掲げていますので、SPIDERPLUSを使用することによって記録の正確性が担保され、しっかりとした工事進捗の報告・承認がなされています。

ツールを使ったマネジメントができていることは日系・ローカルを問わず、お客様に対してもしっかりと訴求できるものと思っています。

また、「コスト」ですが、たしかに人件費が安い今では単に人だけを増やせばいいのではないかという発想にもなってしまいがちかと思います。

しかし、経済発展が著しいベトナムにおいて人件費がいつまでも安いわけではないですし、実際に上がってきている中で、いざ「省力化、効率化はどうするの?」と言われてもいきなりの対応は難しいと思っています。

こうしたことを考えるに、今からSPIDERPLUSを始めとしたITツールをしっかりと使いこなしていく必要があると感じています。

ー今後、貴社がベトナムでSPIDERPLUSを活用することに関するご期待をお聞かせください。

S:「良いものは良い」ということです。
ベトナムにいる技術者全員にSPIDERPLUSを使わせたいと考えています。

また、当社だけではなく、日系・ローカルいずれの建設企業にもおすすめできます。

ーありがとうございました。