現場が変わる、働き方が変わる。100年企業・大三洋行が描くDXの未来

品川に本拠地を構える大三洋行は、創業から100年以上の歴史を擁し、幅広い施工実績とともにその品質についても高い評価を誇ります。
社員がいてこその実績であり「働き続けたくなる会社」であることを重視する同社の、現場DXについてお話を伺いました。
お話 株式会社大三洋行
田中裕樹様(取締役技術本部長)
久保田亮一様(工事部次長)
齊藤颯様(工事部)
公共工事にも強み、電子納品対応が導入の決め手
本日はお時間をいただき、ありがとうございます。
SPIDERPLUS導入の経緯をお聞かせください。

ちょうど建設業界でも働き方改革関連法の適用を目前にし、DX推進が本格化し始めた頃です。
デジタルツールを活用することによって、それぞれが業務の連携をはかることができれば仕事を効率化できると考えたのです。

写真単体の管理ソフトを使ったこともありましたが、図面から帳票出力まで、現場の仕事が一つにまとまっていて、使いやすいと感じました。
その現場が終わって返却することにはなったのですが、会社でも現場のDX推進を本格的に進める方針になり、新しい現場で試験的に導入しました。
その後、工事部全部に導入しています。
SPIDERPLUSの特徴で決定打になったことはありますか。

当社では公共工事を多く手掛けるため、その点はとても魅力的でした。
SPIDERPLUSで整理した写真を電子納品の特定の箇所にそのまま置いたり、そのまま出力したりすることで効率的に納品できています。
2万枚の工事写真が語る、若手社員の”自走力”と活用術
現場での活用方法を教えてください。

実は、SPIDERPLUSの直観的な使い勝手が気に入り、気づけば現場で2万枚の写真を撮影していました。
あらかじめフォルダを構成しておくことによって、現場で職人さんに尋ねられた時も2万枚の中からすぐに探し出すことができます。
また、写真の画質も良く、撮影を補助する矢印アイコンなどの機能もついているため、撮り直しをすることがありません。
現場で撮った写真はクラウドで共有できるので、現場事務所に戻らず上司に見せるまでを完結させられます。
紙図面の場合は、報告一つのために事務所に戻る必要がありました。
フォルダ構成はご自身で工夫しているのですか。

例えば1階から4階までの現場で、フロアごと、部屋ごとにフォルダを分ければ他の人が見る際もどこを見ているのか、すぐに分かります。
現場の仕事は関わる人が多いので、誰が見てもわかることが重要だと思っています。
SPIDERPLUSでは図面にも色分けして書き込んだり、表示させたりする機能がありますよね。
職人さんが見てすぐにわかるように寸法の値を書き込んだり、部位ごとに色分けをしたりしています。
例えば設備は青、電気は赤、のようにです。
黄色は見づらいことが多いので緑色にするなど、見やすさに配慮をしています。
他の人にとっての見やすさなどは、誰かに教えてもらったのですか。

今はそれを元に自分から進んで工夫できることを見つけて実践しています。
この先後輩が入ってきたときにはSPIDERPLUSの使用方法と併せて教えていくと思います。
単に操作方法の習得にとどまらず、広く気配りもしていて素晴らしいですね。
設備工事では、検査機能なども活用していますか。

従来は2人一組で手書きで測定をしていましたが、1人でボタンひとつで検査が完結するので、もう1人は別の場所で出来ます。
現場の作業自体は以前より半分ぐらいの時間で終わるようになっています。
また、照度計を覗き込む際、従来の方法では影の写り込みを気にする必要がありました。
SPIDERPLUSは照度計を置いてSPIDERPLUSを持つと数値を取り込んでくれるので、検査の実施がとてもスムーズです。
平均月間活用率95%、自発的に根付く現場DX
現在の平均的な活用状況は月間95%とかなり高い水準にありますが、自己評価はどのぐらいでしょうか。

ある程度経験を積んだベテラン社員の中には、紙ベースの仕事のしかたに慣れている者も多いです。
そうではあっても、写真や図面がSPIDERPLUSの中にしかなければ、彼らも画面を見ざるを得ないのです。
こういう状況を作ることで、少しずつ各自が使うという状況を起こしています。

実は会社から現場の社員に働きかけていることは特になく、各自の自主性に任せているところが多いです。
齊藤ほどに写真を撮った社員はいないのですが、定期的な講習会や、ウェビナーの通知が来るたびに、各自に見るように声をかけています。
私自身も気になる機能の時は見ています。
ウェビナーは開催日時が決まっているので、いつでも見られる動画マニュアルよりも「見なくては!」と思いやすいです。
既に高い活用水準にありますが、この先SPIDERPLUS活用を中軸に据えて目指す働き方についてお聞かせください。

現場では人手が限られていますから一人ひとりの業務を軽くしていく必要があり、デジタルツールの導入は必須です。
現場の作業量、業務量を可能な限り軽くして、クラウド活用によってどこでも仕事ができるような体制を整えていきたいのです。

デジタルツールを使うことは効率化することに加えて、仕事それ自体のイメージアップにも繋がるはずです。
現場で経験することが沢山ありますが、とにかく楽しく働くことを目指したいです。

それらを覚えていって使いこなしていきたいです。
会社が目指すことに対して、既に応えていますね。

もちろん時には思うように進まないこともありますが、どんな時もやりがいを持って働ける環境を整えていきたいのです。