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言葉や文化の壁を超えて「見て伝わる」現場の事情〜ベトナム語サポートも活用〜

横浜市を本拠地とする向洋電機土木のある現場では、外国出身の若き監督が目下大活躍中です。SPIDERPLUSの特性を活かして言語の壁を超えて現場をまとめていることや、2023年よりスタートしたベトナム語サポートの活用について、竣工を目指してラストスパート中の現場でお話を伺いました。

お話:

向洋電機土木株式会社 工事部 倉澤 秋佑様(画像中央) グエン・ヴァン・ドン様(画像向かって左側) グエン・マイン・フン様(画像向かって右側)

ーこちらの現場では工事進捗管理も視野に入れた情報連携を主な目的に導入されたと伺っております。
実際に効果を感じたことをお聞かせください。

K:まずは図面を何枚も印刷する必要がなくなったことです。
それから施工について指摘事項をすぐに共有できることです。

こちらの現場では15階まであるのですが、職人さんに指摘事項がある場合、SPIDERPLUSの図面上に写真を紐づけることで是正内容を伝達したり、対応してくれた作業内容をチェックすることができます。
以前は3フロアごとに休憩しながら最上階まで行って指示を出さなくてはいけませんでした。

現場でのゼネコンサブコン連携では、建築に報告する際に、SPIDERPLUSを見てもらえば報告書を印刷したり、資料をもって説明する手間が省けます。
建築の設備担当の方もサーバ内を見ることで情報伝達ができるので効率的だと話していました。

D:実は建設業で働くのは1年目なのですが、初めて現場に出たときに、1フロアだけで20枚以上の紙図面を持って作業をしなくてはいけないので大変でした。

図面をたくさん持つと重いですし、持ってきた図面が違った場合は取りに戻らないといけないので、目の前で見たこともすぐにメモをすることができなくて何かと手間がかかっていました。

SPIDERPLUSがあることで現場にはiPadだけを持っていけばいいですし、忘れ物を取りに行く必要もありません。

F:同じく建設業で働くのは1年目です。
以前は工事写真を撮影しても、どこで撮ったものだったのかが分からなくなってしまうことがありました。

SPIDERPLUSは図面上をタップして撮影する写真を紐付けることができますし、紙図面をたくさん持つよりも軽いです。
見づらいところがあっても画面の中で拡大することができます。
自分自身が図面を見るという点でも仕事がラクになりました。

画像があるから「見てわかる」 多国籍現場の情報伝達

ー職人さんたちとの情報伝達でのメリットを挙げるとすればどういう点でしょうか。

D:施工の状況を確認する際に図面上に紐づいた写真を一緒に見ることができます。

そうすることによって「どこの」「何が」「どう」と明確に見ながら話をすることができるので、伝えるのがラクです。

F:施工不良があった際に指摘した内容について、対応してくれた場合、対応前と対応後も写真を見比べることで明確に把握することができます。

ー写真を伴うことでの明確さと直感的に伝わりやすさということですね。

K:実はこの現場で働く職人さんたちの顔ぶれは多国籍です。

アジアの方もいれば中南米出身の方まで幅広く、異なる母語を持つ人間どうしがそれぞれの役割を果たして工事を進めています。
母語が違うということは、情報伝達の土台が違うということです。

SPIDERPLUS上で同じ画像を見ることができることによって、「見て分かる」と、言語の壁を超えて情報伝達ができます。

F:SPIDERPLUSで写真を撮れば指摘内容を残すことができます。

職人さんに状況を伝える際、写真を見せながら話すことで説明することを助けられているように思っています。
紙だとどこの場所で何がどうなっているか、を言葉で全て伝えなくてはいけなくなってしまいます。

D:私たちはともに、日本に初めて来てこの仕事をするのも初めてです。
職人さんたちに日本語で説明してみて、うまくいかなかったことも経験しました。

SPIDERPLUSがあることで、職人さんたちが私たちに質問をしてきた際に答えるのにもわかりやすく伝えるのに役立てることが出来ています。

ーところで、お二方は普段SPIDERPLUSの日本語版と英語版のどちらをお使いですか。

D・F:日本語版です。

K:二人が日本語版を使っていて、最終的な報告の取りまとめをする際も誤字脱字などを最低限チェックするだけなので、とても効率的です。

ベトナム語サポート、オンボーディングの活用でさらなる習熟

ー2023年5月からはベトナム語のサポートも始まりました。
実際にお使いですか。

D:ベトナム語のサポートは対応が早いです。
テキストコミュニケーションを利用しますが、質問するとすぐに答えを返してくれます。

先日も帳票について解決したことがあったときに質問しました。私はベトナム人なのでベトナム語で聞くことができ、教えてもらえるのはとても助かっています。

F:ベトナム語サポートの早さもいいのですが、勉強会では細かいスキルを身につけることができます。

初めて使う機能について、わからないことを聞いて、教えてもらったことをすぐに試してみることができます。

2人で分け合った作業を合わせる方法を教えてもらったりもして、いい感じですね。
こちらから尋ねるだけではなく、サポートの方から困りごとがないかを聞いてきてもくれます。

K:彼ら自身が積極的にサポートを活用していて、私よりも詳しく知っている使い方があるぐらいです。

ーところで、向洋電機土木では以前から外国出身の方がご活躍だったのでしょうか。

K:実は外国出身人材は彼らが第一号です。

2人ともとても真面目で一生懸命ですし、資格試験(電気工事士など)も既に合格しているものがあり、彼らの存在が会社全体にもとてもよい影響を与えています。

それに、現場でも指示を出すと絶対に断らないのです。

ー断らないのはなぜですか。

D:指示されたことを、ノウハウを身に着けて学ぶための材料ととらえています。

この先さらに色々なことを身に着けて、いずれは自分自身で現場そのものを管理できるようになりたいと思っています。

F:同じく、指示されることは仕事の内容そのもので、そこから学ぶことがたくさんあると考えています。

自分で図面を書いて職人さんたちを管理できるようになりたいです。

ー素晴らしいですね。
彼らを管理する立場としてどのようなことに気を配っていますか。

K:指示を出す際に、背景を詳しく説明するようにしています。

ベトナムと日本では、施工や現場管理のしかた、検査の内容にも違うことが多くあると思います。

文化や習慣の違いによって、もしかすると「どうしてここまで作業をする必要があるのだろうか」と疑問に感じることもあるかもしれないです。

こうした考えから、指示を出すときは具体的な例を挙げて、何かの作業をしない場合にどんなトラブルや事故につながるのかまでを説明し、理解してもらった上で作業をしてもらうようにしています。

ーありがとうございます。
今後の展望をお聞かせください。

K:今の現場で、日常的な情報共有から図面や写真の整理、そして言語の壁を超えることに至るまで、デジタル活用のメリットを感じながら工事を進めることができました。

この先は職人さんたちも含めて、現場全体をさらに効率化していくことができると良いと考えています。

ーありがとうございました。