デジタル活用で仕事のしかたを変えて技術を磨いて、仕事を楽しいと思える会社になる
DX(デジタル・トランスフォーメーション)は、デジタル活用によって仕事のしかたを変えることを意味しますが、現場業務の効率化を目的にSPIDERPLUSを導入した朝日工業社もまた、仕事のしかたを変えようとする只中にあります。
DX推進によって本質的に目指すことについてお話を伺いました。
・お話
木村 明彦 様(理事、業務推進部長、画像向かって左側)
菊池 祥晃 様(工事部主任、画像中央)
木村 隆志 様(技術副本部長兼施工管理部長兼海外事業部長、画像向かって右側)
ー本日はお時間を割いてくださり、ありがとうございます。 検査に特化した機能も含めてご活用が進んでいますが、導入の経緯をお聞かせくださいますか。
木村隆志様(以下K):現場の作業を効率化することが導入当初の目的でした。現場の仕事はとにかく忙しいですし、工期も限られています。作業から報告までの間にある膨大な手間をデジタル活用によって省くことができれば、労働時間を短くすることにもなると考えました。
ー現場での代表的な活用のしかたについてお聞かせください。
菊池祥晃様(以下KY):スリーブ写真、工程内検査、社内検査、防火区画貫通処理などで活用しています。
SPIDERPLUSでは図面データ上で進捗状況に応じてアイコンの色が変わるので、現場の状況を明確に把握できますし、それによって情報伝達も効率的に行なうことができます。
進捗状況を直感的に把握できることから、別の担当者に仕事を引き継ぐ場合でも経験5〜6年の方であれば画面を見てすぐに作業を引き継いでいくことができています。
アイコンの追加や付随する情報の入力は検査班が担当し、写真撮影は若手が主にSPIDERPLUSを活用して担当していきます。
ー若い方たちを中心にご活用とのことですが、操作に慣れるのも早い傾向がありますか。
KY:早いです。20代から30代前半の社員たちは、スマートフォンやタブレットに若いころから慣れ親しんでいることもあり、操作も早いです。それから、スマートフォンに慣れていることもあってか、写真撮影などでは、タブレットは既に重いという声もあるほどです。
ー現場の世代交代を感じる言葉ですね。SPIDERPLUSを活用することで、他にどのような効果をお感じですか。
KY:スリーブは全数撮影が必要ですが、紙とデジタルカメラで行なっていた時代に比べると7割ぐらいは手間を削減できているように感じています。
それから、圧力測定機能を活用すると、以前なら取得するそのときの数値だけを使っていましたが、変化も含めた数値を把握することができます。
検査結果の改ざんは物理的に不可能ですし、検査結果をより精緻なデータにもとづいて考察することができるようになっています。
ー効率に加えて、品質の面においても効果をお感じなのですね。
次の課題があるとすればどのようなことでしょうか。
木村明彦様:活用の度合いを全社的に引き上げていくことです。
例えば今話してくれた例は、現場で独自にルールを決めて進めているものです。
SPIDERPLUSを活用している全ての現場が同じように機能や性質を活かしていくことや、活用のしかたのその効果などを全社的に共有してさらに広げていくことについては、まだまだこれからの課題だと感じています。
それから、現場での業務遂行をさらに効率的にするために、帳票書式を統一していくことも検討しています。どの現場や支店でも、同じ書式を使えば、帳票の書式が異なることで余儀なくされる手間を削減できるはずです。
ー全社的な活用の引き上げと、ルールの統一などを進めた先で、今後本質的に目指したいことをお聞かせください。
K:仕事をもっと楽しく、やりがいを感じられるようにすることです。
SPIDERPLUSを導入したことによって効率化や労働時間の短縮ができますが、そこで終わるのではなく、仕事のしかたを変えて環境負荷低減のための施工方法や省エネ、脱炭素技術の導入等、技術者としての仕事に時間を注げるようにしたいと思います。
そうすることによって、設備工事業という仕事に情熱とプライドを持てるようにしたいと思います。
SPIDERPLUSの活用はその第一歩です。
今後も更なる改善を一緒に考えていきましょう。