提出書類の品質と現場対応力が評価に直結。若手からベテランまで支えるDX推進の現在地

沖縄市・泡瀬漁港近くの開放的な場所にオフィスを構える設備技研は、設備設計の専門家集団。
施工実績は県内のリゾートホテルやマンション、防衛分野の公共工事など幅広く、今後は東京や中央アジアへの進出を計画中とのことです。
SPIDERPLUS活用の背景や、DX推進で目指す将来像まで、広くお話を伺いました。
お話 株式会社設備技研
田場健次様(工事第1課 課長)
久場一輝様(工事第1課 課長)
平良淳様(専務取締役)
現場の「手戻り」や残業を減らしたい。DX導入前のリアルな課題
本日はお時間をいただき、ありがとうございます。
皆様の役割について教えてください。


SPIDERPLUSの導入を検討した頃にはどのような課題がありましたか。

現場の仕事はとにかくやることが多く、ほんの少しの手戻りが大きく足を引っ張ることになりかねません。
デジタルツールを活用して情報伝達のスピードアップをはかることが課題でした。

現場にいる建築業者などがSPIDERPLUSを使っているのを見る機会があったのですが、同じ現場でどうしてこんなにも作業にかかる時間が違ってくるのだろうと思いました。
SPIDERPLUSのどのような特徴に目を留めましたか。

紙図面と、単体の写真が大量にあるのとは異なり、どこで何を撮影したかが分かることや、工事写真の撮影漏れなども防ぐことができそうだと感じました。
活用率8割超。管理業務にも広がるDXの恩恵
設備技研様は現在20名以上がSPIDERPLUSを活用し、平均活用頻度も8割以上と高い水準にあります。
現場での主な活用方法をお聞かせください。

カメラアイコンを活用すると、撮影箇所を前もって登録することができますし、進捗に応じて色分けすることができるため、SPIDERPLUSを持たせてあとは現場を一人でまわって写真を撮ってもらうだけです。
撮影漏れがなくなりますし、一緒についてまわって、横で確認しながら撮影する必要がなくなりました。

現在担当している現場では、検査写真や状況写真とは別に検査時に提出する書類が複数あります。
そこで、特定の工区で撮影する場合にアイコンを別に用意して、提出書類を作成する際にすぐに区別できて、書類に載せることもメモから抽出できるようにしています。
今回の現場では、検査立会の写真提出も求められます。
品質管理書類をまとめるのには、従来何かと手間がかかっていましたが、SPIDERPLUSの情報を活用することによって効率的に作成できています。

現場ではどんどん仕事が貯まっていくので、その場でできることはその場ですぐに終えておきたいものです。
SPIDERPLUSから必要な情報をすぐに取り出すことができるので、大きな助けになっています。

資料類や承認図もSPIDERPLUSの中に入れておけば、ある箇所の吊りピッチがいくらか、などの細かい質問にもすぐに答えられます。
SPIDERPLUS導入後の活用浸透をはかるために、どのようなことをしていますか。

その際に疑問点を解消するようにしています。

作業の合間に確認して、役立てることもあります。

ベテラン社員は仕事の内容が異なるため、写真を撮ることはしませんが、施工要領書や作業手順書資料を紙ではなく、SPIDERPLUSで見てもらいます。

現在の活用状況を評価するならば、どのぐらいでしょうか。

導入当初にも思ったことですが、ヒューマンエラーを防いで手戻りを発生させずに済んでいるのは工事進捗全体の効率にも影響が大きいです。

去年から指摘管理機能を活用しはじめました。まだまだ活用の余地があると感じています。
そういえば現場での活用という点で効果を実感していることがもう一つあります。
建築に提出する書類にSPIDERPLUSのスクリーンショットを活用すると、防火区画の資料や試験成績書などが「見やすい」と高い評価を頂くようになりました。
図面にカメラアイコンがついた状態で、情報を明確に見せることができると、品質のよい工事と丁寧な報告をしてくれる業者だとみなされ、元請けからの評価がよくなりました。

その結果、働き方改革の実現にも大きく貢献し、現場品質の向上、施主様からの評価の向上といった多方面にわたる成果をもたらしました。
これにより、大型案件への積極的な挑戦も可能となり、企業としての成長にも大きく寄与しています。
今後のSPIDERPLUS活用、およびその他DX推進で本質的に目指していきたいことをお聞かせください。

SPIDERPLUSの活用方法を覚えていくことで、作業を効率化して、安全に関する段取りに時間を使う割合をさらに増やしていきたいです。
Rebro連携などもできますが、SPIDERPLUSの持つ機能を覚えて、目の前の工事に活用していく社員の平均的なレベルをさらに引き上げていくことによって、それぞれが経験した仕事をそのまま会社の実力にしていくことができるようになるのが理想です。

私自身、この世界で経験を積み重ねていく中で、若手社員を教育したり、現場で指導したりする割合が増えてきました。
現場は忙しいですが、働く一人ひとりの知見習得は欠かせません。
そうした流れを確立していきたいです。

SPIDERPLUS活用によって単なる業務効率化にとどまらず、若手社員への業務伝達もよりスムーズになり、ツールを活用した標準化が進んだことで、社員一人ひとりの業務への理解と主体性が高まっています。
これにより、社員のモチベーション向上や離職率の低下にもつながっています。
働き方を変えていく取り組みを続けながら社員一人ひとりがワクワクしながら挑戦できる環境を整え、これからも「成長し続ける企業」として、新たな可能性を切り拓いてまいります。