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BPOサービスを組み合わせてコア業務に時間とエネルギーを集中!モデル現場が目指すこと

名古屋市西部にある集合住宅現場では、伊藤工務店の現場監督が活躍中です。
BPOサービスを組み合わせて効率化を実感したものは、同社の他の現場にも展開されながらDXが進行する背景にあるものについて、お話を伺いました。

お話 株式会社伊藤工務店

奥村明様(設計本部構造課 課長)
中村俊貴様(名古屋支店係長)
小林美妃様(名古屋支店)

現場改善の要は9人の委員会。現場の声から浸透が進む仕組みとは

本日は現場の進行中にも関わらずお時間を割いてくださり、ありがとうございます。
伊藤工務店様のSPIDERPLUS活用は社内組織を中軸に置いたものだそうですね。

奥村様
奥村様
当社には9名からなる品質向上委員会というのがあります。
施工監査の品質向上や業務改善を推進するのが私を含めた2名、現場を訪ねて途中段階で監査をしたり助言をしたりする役割が7名です。
7名から上がってくる報告事由を2名で検討してSPIDERPLUSの現場浸透に繋げる役割をしています。

こちらの現場はツール活用やSPIDERPLUSのサービス群の組み合わせの実験現場のようになっていると伺いましたが、どのような背景で選出されたのでしょうか。

奥村様
奥村様
工事の予定など、様々な要素がよいタイミングで一致したのが直接の背景です。

SPIDERPLUSの導入当初は主に写真管理にとどまり、機能を十分に使いこなせていなかったのです。
ある日BPOサービスについて紹介してもらったのですが、ちょうどこの現場の工事時期との兼ね合いも良く、配筋検査などでも使うために導入してみることにしました。

SPIDERPLUSの決定打はどのような点でしたか。

奥村様
奥村様
SPIDERPLUSにしたきっかけは、自主検査記録のチェックリストがあったことです。
社内には施工管理のチェックリストがありましたが、担当者や、各支店で書式が不統一でした。
SPIDERPLUSを導入することにより、現場では写真を撮るためだけではなく、統一した書式でより効率的な現場運用に繋がるのではないかと考えました。

面倒な整理はBPOにアウトソース。写真管理から「品質管理」へ時間をシフト術

小林さんはこちらの現場で施工管理を担当しているとのことですね。
SPIDERPLUSをどのように活用していますか。

小林様
小林様
こちらの現場では、主に工事写真にSPIDERPLUSを活用することが多いです。
実際の撮影は後輩社員が行います。

現場で撮影する箇所には、スパイダープラスのBPOチームが図面上にアイコンをプロットしてくれます。
前の現場では私自身が設置していました。
規模が大きくなれば数が多いですし、豆図の登録も、方法自体は簡単なものではありますが、作業箇所が多いと時間がかかっていました。

BPOサービスを組み合わせてよりコアの業務に時間を割いているのですね。

小林様
小林様
撮影後の写真は事前に構成したフォルダに自動で整理されるので、時間を割く必要がありません。
写真台帳もボタン1つで出力できるのが便利です。
写真整理にかけていた時間を、撮影内容の確認や工事品質のチェックに充てられるようになりました。

中村様
中村様
現場管理の仕事は内容が多岐にわたります。
現場にも出ますし、事務書類の作成作業もしなくてはならず、時間外業務がどうしても多くなりがちです。

BPOサービスにはアイコン設置や黒板作成も依頼していますが、これらの手間が省けることで現場に向き合う時間をより多く確保できるようになりました。
配筋検査の場合は直接現場で配筋それ自体を目視確認もしますが、事前準備が不要になったおかげで、こちらは「見ること」に時間を費やすことができるのです。

ちなみに他の現場でもBPOサービスを組み合わせることが増加中と伺いました。

奥村様
奥村様
他にも数現場に拡大しています。BPOサービスは組み合わせたほうが圧倒的によいと思っています。

SPIDERPLUSの持つ便利な機能を使いきれていないと、写真アプリの延長にとどまるような使い方になってしまいます。
それだけならば無料のアプリが既にあります。
当社がSPIDERPLUSを活用して目指したいのは業務改善です。

BPOを組み合わせることによって、例えば図面データにアイコンが設置されたものを受け取ると、現場ですべきことが分かりますし、そこで経験することは次の工事に行っても応用していくことができるはずです。

技術継承というのも建設業界の課題ではありますが、昔のような方法ではもはや不可能で、聞いたことをそのまま伝えていくのではなく、継承の仕方自体も変えていかなくてはいけないと思います。
BPOサービスを組み合わせてSPIDERPLUSを便利に活用していくのもそうした考えが土台にあってのことなのです。

写真整理より、早く帰ろう。「目の前の現場を見ること」に集中する働き方へ

現在の活用浸透状況について、どのような評価をしていますか。

奥村様
奥村様
現在、会社全体では230名ほどがSPIDERPLUSを手にできる状況です。
それぞれの仕事内容の違いもありますが、活用状況をさらに引き上げていくのが課題だと感じています。
また、新入社員の教育でも使っていき、SPIDERPLUS活用が当たり前のことになっていくことを考えています。

積極的な活用促進のために取り組んでいることはありますか?

小林様
小林様
先輩社員が他の現場で残したデータを見るようにしています。
豆図の切り出し方や、データの紐づけ方などを見ていきながらSPIDERPLUSが持つ機能を知ることができます。
工事の段階に即した保存データを見ると、すぐ目の前の仕事に役立てることもできるようになります。

中村様
中村様
当社では権限を開放していて、それぞれが学ぶことができるようにしています。小林さんはかなり能動的に学んでいますよね。

奥村様
奥村様
写真も、自主検査のリストも、クラウド上でまとめて見ることができるのは活用浸透の助けになっていることだと思っています。
現場ごとに状況は異なりますが、施工管理の仕事には共通項が多く、他の現場の保管データから沢山学んでほしいと思っているのです。

今後のSPIDERPLUS活用で本質的に目指していきたいことについてお聞かせください。

奥村様
奥村様
業務を効率化して適度に仕事を切り上げることは、現場管理ではとても大事なことです。
特に若い現場社員たちには仕事だけではなく、プライベートも大切にしてほしいです。

現場の仕事は何かにつけて物事が膨大になりがちです。
写真整理に手をこまねくよりも、図面を書いたり、目の前の現場と図面を見比べたりすることに時間やエネルギーを使うほうが生産的です。
ノンコア業務を減らすことができれば空いた時間で資格の取得を目指すこともできるし、プライベートも充実すれば働くモチベーションを高められます。

ありがとうございました。