• 電気工事
  • ~300名
  • 北海道

会社全体として効率をよくしていくことが導入浸透に寄与、現場/本社双方から見る建設DX

北弘電社様は札幌を本拠地とする電気設備工事会社で、「北の100年企業」とも呼ばれる老舗です。実際に現場でSPIDERPLUSを施工管理でお使いの方から現場を支援したり、部門横断で統括していく立場の方まで、4名の皆様にDX推進で見据えることについてお話を伺いました。

お話:
画像左から山口泰弘様、小畑勝裕様、花岡柊次様、平田勝紀様

※インタビューはマスク着用で行なわれました。撮影中のみマスクを外しています。

ーはじめに、皆様の役割について教えてください。

山口様(以下Y):私は会社の品質・安全チェックを行ない、現場担当者の支援・統括をする役割を負っています。実際に現場を訪れて施工の状況や管理の状況をチェックして展開していきます。
花岡様(以下S):現場で施工管理を担当して実際にSPIDERPLUSを使っています。
小畑様(以下O):私は現場統括や支援、営業などの部門をフォローし、社内で水平展開して物事を決めたり、上層に起案したりして、現場に還元していく役割です。
平田様(以下H):私は以前SPIDERPLUSを現場で使っていて、現在は調達の仕事をしています。低コストに抑えることでSPIDERPLUSなどに現場が廻せる予算に貢献する役割です。

ーありがとうございます。そうすると、花岡様が現場で使い、山口様がそれらを視察して会社に持ち帰り、小畑様が今度は縦横に展開して改善につなげる役割をし、平田様が低コストに調達をしてDX推進が循環するということですね。ところで、どんな経緯でSPIDERPLUSを導入しましたか。

Y:市の中心部の大きな現場で、設備会社が11社入っていました。既にデジタル活用で情報共有されている現場だったのです。紙ベースで検査記録を残していくのはとても大変ですし、そうした情勢下で便利に情報共有をしていくことになったのです。写真と図面、チェック項目がそれぞれ個別に別れているのではなく、図面データ上で1まとめにしていくことができるし、帳票作成もボタン1つで出来るので手間を短縮できるのは便利だと思いました。

1週間で便利さを実感したSPIDERPLUSの機能とは

ー花岡様は紙とSPIDERPLUS両方の現場を体験していらっしゃいますね。

S:そうですね。紙の図面を印刷して、貼り付けて、メモをするための図面を別に出して、職人さんに渡すための別サイズのものを出したり、出し先が他にもある場合は1つの図面をいくつも印刷していました。先輩たちに比べれば持ち物の総量はまだ恵まれている方だったとは思いますが…。

ー初めてSPIDERPLUSを使ったときはどんな風に感じましたか。

S:実は慣れた作業のやり方があったため、導入当初は「煩わしい」と思っていました。1週間ぐらいで使い方にも慣れて便利だと実感するようになりました。

ーどういうところを便利だと感じましたか?
S:
まずは先ほど話した図面です。1つの図面をたくさん印刷しなくて済みます。次に写真です。工事写真を1日に200〜300枚撮影して、その後事務作業まとめの際にどこで撮ったものかを思い出せないともう1度現地に戻って写真と現場を突合するために足を運ぶ…ということがあったのです。SPIDERPLUSならば図面に写真が紐付いているので戻る必要がなくなり、仕分けと帳票に貼り付ける手間と段取りが消えました。

H:そういえば花岡さんと効果の検証をしたことがありましたね。
S:これは実際に計測したことがあるのですが、書類のまとめ時間は1日あたり1〜2時間は減ってます。あと、検査時の数値取得の手間は半分、事前準備に手間が発生することもありますが、それを含めてもトータルで3分の2ぐらいにはなっています。そうすると今度は空いた時間を別のことに使うことができています。

ー空いた時間を使う場合も、残業時間は減っているということでしょうか
S:そうです。工事によって始まる時間が遅い場合もあるので、一概に何時で帰宅する、とは言えないこともあるのですが、現場全体でラクに仕事を進めていける体制ができています。

Y:
現場で他に目をやる時間があるというのはとても重要なのです。現場の人たちは、様々な手間から長時間労働を余儀なくされていましたが、SPIDERPLUSなど、デジタル導入によって特定の作業にかかりきりになることから解放されると、他に知識をつけることに時間を割くことが出来るようになります。安全や品質というとても重要なところに時間を割くのです。

S:
経験年数ごとに身についている知識の量や現場・工事の理解に差はありますが、1つとして同じ現場はないです。そうするとどこの現場でもゼロから学んで対応することになりますし、「学ぶ時間を持つ」ということは仕事を進める上で必須です。

現場から会社への広がり

ー現場から会社への広がりという点はいかがでしょうか。

H:北弘電社では工事を効率よく進めることを目的に複数のツールを導入していて、SPIDERPLUSはそうした選択肢の1つという位置づけです。建物の電気設備工事を行なう内線部門と送電鉄塔や変電設備などの部門に分かれるのですが、SPIDERPLUSは専ら内線部門で利用しています。内線部門で徐々に導入が広がろうとしています。

ーどういう点が導入浸透に寄与していますか。

H:データの共有が出来るので、各現場のデータを別の場所にいる管理者側でも見られるなど、1人の現場代理人のメリットにとどまらず、会社全体として効率をよくしていくことができる、というところが大きいと思っています。

O:業界全体で統一したものを使っていけるとさらに効率が上がると思います。

Y:現場の縦構造の中で同じものを使っていくことが出来れば、例えばゼネコンに提出するものを作る際などもさらに便利になっていくのではないかと思っています。

効率化で本質的に目指していくこと

ー現場では出入りする業者どうしの情報交換はさかんですか。

O:さかんです。昔だとCADの導入なんかも現場から広がっていました。CADや携帯電話、デジカメ、色々なものが建設業の歴史の中で現場で広まっています。昔は携帯電話がなかった頃だと何かあるたびに紙で図面を書いて自分自身が走ることで通信を担っていたのですから。

ー現場の横のつながりの中で交換される情報の中身が時代に連れて変わってきているということですね。

Y:逆に情報が増えた分、取捨選択の重要さが高くなっていると思います。

ー2022年の現在だと、時間削減そのものを目的にすることができますが、効率化することで、どんなことを本質的に目指したいと考えていますか。

Y:実は今はまだ「普通になろうとしている」段階だと思っています。ツールを使った時間短縮はその一助です。

O:これから取り組むことがまだまだあります。これは私見なのですが、仕事の時間と私生活の時間をきちんととることができるようになって、心身ともに1人の人間として充実して生きることになると思うんです。それは仕事の質の向上のためにも重要だし、魅力的に見える会社にしていきたいのです。

ーありがとうございました。