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電気設備オプションパックつきで導入、「まず使ってみる」ことの重要性

お話:取締役工務部長 細川竜一 様、工務部工事主任 白河正宏 様(画像)

※インタビューはマスクを着用して行なわれました。撮影時のみマスクを外しています。

デジタル感度の高さの背景にあるフットワーク

ーはじめに、それぞれの役割を教えてください。
細川様(以下H):私は各現場の代理人、労務や予算など、現場そのものを管理していく役割を負っています。
白河様(以下S):現場代理人経験を経て、現場のサポートや、ツールの情報収集なども積極的に行なっています。
H:彼はもともと現場の仕事をしていて、そういう知見も合わせてデジタル導入の推進役のような立ち位置です。三共電気工業では北海道・札幌内でもかなり早い段階からBIM導入を決めたのですが、社長の経営方針によるところが大きかったです。

ーそれは素晴らしいです。実は今回のインタビューも展示会でお会いしたのがきっかけでしたよね。
S:そうです。いつものように「行ってきたら」という一言で情報収集に行きました。もともと社長命令のもと、生産性向上を目的として情報収集を日常的に行なっています。

電気設備オプションパックつきで導入した背景

ーSPIDERPLUSの導入は2021年の2月からでしたね。
S:はい。実は、先に特定の作業について導入していたICTツールがありました。タブレットを持って現場で仕事をすることについては習慣づいていたのです。SPIDERPLUSは現場監督の仕事を網羅するような機能があるので、その場で行う作業のほかにクラウドにある画像素材を活用した帳票作成の機能を活かして資料作成をして、情報共有の手間を省いて効率よくするのに長けていると感じています。

ーありがとうございます。アーカイブのような使い方ですね。
S:そうですね。持っている機能を使うと、現場事務所で監督が打ち合わせ議事録を作っていくときに載せるものを素早く探すこともできるので便利です。

ー貴社では電気設備オプションパックも最初の段階から導入していらっしゃいますね。
S:そうですね。電気設備オプションのなかでは、照度測定機能をものすごく効果的だと感じて使っています。以前は検査の準備をする際、測定器をセットするのに自分の影が映り込まないようにして時間を使ってからその場を離れてボタンを押してスタートし、測定係と記録係とで検査を行なっていました。SPIDERPLUSならば照度測定器がBluetooth接続によってタブレット端末とつながり、アイコンを設置しておいた箇所の数値を、映り込みを気にせずに1人で検査を実施することができます。こういう点を非常に便利だと感じています。
H:働き方改革にともなって、できるだけ省力化することは重要です。

ー照度測定機能を使うのはどういうシーンが多いのですか。
S:おもに竣工時の建物内照度測定に使うことが多いです。設計照度を計測して合否判定をします。
H:三共電気工業では公共工事の割合が多いです。屋外の工事で、国のインフラに関するものや、公共施設にある照明の24時間維持メンテナンスなどもやっています。SPIDERPLUSの機能を今後そうしたところでも役立てることができれば、さらに便利に使っていける可能性があると考えています。

デジタル推進に必須のコミュニケーション文化について

ー先ほど、デジタル推進は社長の経営方針によるところが大きかったと仰っていましたが、三共電気工業様がデジタルツールを選ぶ際は、どういう点を大切にしていますか。
H:まずは現場がそれぞれ選ぶことができるようにしています。上から押し付けるのではなく、会社は現場の声に対して「まず使ってみる」ということを奨励し、現場ごとの意向を最大限尊重します。その上で必要だと思ったことには投資を惜しまないようにしています。一方で、現場で上に立つ人の考えによってDX推進や、ツール活用の度合いも個人商店のような様相を呈してきています。この状況を会社として変えていき、質を保っていきたいのです。

ー必要な投資を行なって仕事そのものの質を高く統一感のあるものにしていくということですね。現場ごとのデジタル活用の差はどういうところが決め手になっていますか。
S:やっぱり若い人のほうが傾向としては、慣れるのが早いです。ただ、人によっては大先輩のような方でもどんどん使って覚えていくということもあります。そこから横のつながりを活かして広がっていくケースが結構あったりします。

ー技術者どうしの横のつながりが強い環境なのですね。
H:そうですね。各現場ではコミュニケーションをしやすい人間関係がよいものであることを大切にしていますし、それぞれが情報交換できるようにしています。
S:横のつながりがしっかりして、人間関係が良いと、日常の仕事でも困ったことがある時に訊けますし、新しいものを入れる際も、「こんな便利なものがあるよ」とか「こんな使い方をしたらとてもよかった」と、さかんに情報交換があるのが大事です。

ーデジタル活用が広がる会社は人間関係が良いことがつきものですね。会社の中で発表し合う機会などもあるのですか。
H:あります。札幌以外にも拠点があるので、オンラインとオフラインの両方を組み合わせて活用例や成功事例を雑談も含めて話すコミュニケーションの機会を大切にしています。

ー組織として情報を共有しやすい体制があるのですね。SPIDERPLUSを最も使いこなす現場の特徴はどんなものでしょうか。
S:「使ってみる」ことですね。「まずやってみる」というのは、社風によるところが大きいかもしれません。SPIDERPLUSのアプリの中に図面や資料を「まず、入れてみよう」とアプリの中に入れてみるのです。そうしたら次は現地を知ることが大切です。SPIDERPLUSの場合は図面に写真を紐付けることができるし、撮った写真がどこのものかを図面上で把握することが可能です。ただ、現地を知ることで、さらに目的本位に活用していくことにもつながります。管理側だとサーバ上で現調の結果を把握することもできるので「これは便利だね」という声が返ってくるので、現場でも、それ以外でも価値は伝わっていると思います。
H:実は画像機材を採用して、現地の様子を遠隔で把握する取り組みも始まっています。それによって効率よく指示を出して現場を前に進めていくことができます。
S:コロナ禍でそうした気風が高まったように感じています。

ーSPIDERPLUSを使っているのは若手の方の割合が多いでしょうか。
S:多いですね。若年層はタブレットなどのデジタル機器操作に長けている方が多いです。ただ、現場でのデジタル活用はあくまで手段。本質理解がないまま機器だけを使うのであればそれはオペレーターのようなものになってしまいます。
H:全社的に新入社員を対象として、定期的に基本的な知識を研修する機会を持つようにしています。その際、実は敢えてアナログな手段を使って知識を蓄積していくようにしています。従来は人材育成も現場にまかせてあったのですが、均等に育てることが重要だと感じるようになったのです。1〜2ヶ月もすればそれぞれの得意そうな分野などが見えてきます。そこから先を見据えつつ、会社として均等に知識を与えて育てていき、それぞれの適性分野である人は現場で、別の人は支援する立場で長く定着していくことを見込んでいます。

三共電気工業、本社社員の皆さん

ーちなみにSPIDERPLUSを導入しているお客様からはこういったツール活用が知られると若手人材の獲得にも有利と聞きますが、貴社はいかがですか。
H:有利だと思います。やっぱり現場でタブレットを持って仕事をしている姿はカッコいいですし、現場で面接を行なうこともあるので、そういうのが外に知られるのは重要なことです。

ー三共電気工業様では、今後DX推進でどんなことを目指していきたいですか。
H:実はDX推進は過渡期だと思っています。現場と本社を分けて意思の疎通を行なっていき、将来的には作業を分け合うような使い方もしてさらに生産性の向上を図っていけたらよいと考えています。

ーありがとうございました