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「みんなが多能工」という強み。現場主導の効率化、その舞台裏

名古屋市の南に本拠地を構えるスミ設備では、国境を超えたベトナムとの連携によるダイナミックなDXが進行中です。
SPIDERPLUS活用にとどまらない効率化の背景についてお話を伺いました。

お話 株式会社スミ設備
牛永具宏様 (取締役 工事次長)
山崎円香様(一宮営業所)
木戸脇秀治様(工事部工務課)
山田咲菜様(工事部工務課)

導入の決め手は「Rebro連携」、紙からの脱却で「現場完結」へ

貴社では従来活用していたツールがあったとのことですね。SPIDERPLUSを導入する当初はどのような課題がありましたか。

牛永様
牛永様
工事写真に活用していたソフトがありました。
現場での働き方を考えたときに複数のツールや機器をまたぐことなく、一つの端末で施工管理をすることを検討していました。

そんな中、協力会社との縁で、活用方法の説明会に出席したのですが、Rebro連携ができることを知ったのが決定打になりました。
スパイダープラスは、元は保温断熱工事業だったところにも共感があって、サブコンの使い勝手を理解している人たちではないかということにも期待が持てました。

貴社でもトップクラスにSPIDERPLUSを活用しているのが山崎さんとのことですね。
どのように活用方法を覚えていきましたか。

山崎様
山崎様
使いながら覚えていきました。
雨天時など、事務所とは違う状況で触れることで機能を体感的に習得しました。

SPIDERPLUSの一番のメリットは何ですか。

山崎様
山崎様
最新の図面を見られることです。
現場では図面が変わったことに気づかないまま作業をしてしまうことが過去にはありました。
SPIDERPLUSならば、画面を開いて更新すれば最新図を見ることができます。

CAD連携についてはいかがでしょう。

山崎様
山崎様
RebroやTfasが連携しているので、それぞれをPDFファイルに変換して中に入れることなく、生データを開いてそのまま作業に使うことができます。
Rebro、Tfasの図面共有もできますし、そのまま現場に持ってチェックに移ることもできます。

SPIDERPLUS導入前は、現場で必要なものを紙に印刷して持ち出していたのですが、印刷する手間が省けたことで効率的だと感じています。
現場では収まりや寸法などを確認し、図面データの該当箇所にメモを追加して、即座に共有することまでをその場で完結させることができるのです。

SPIDERPLUSを使うことで写真整理の時間がだいぶ減っている実感がありますし、事務仕事に1時間ぐらいかけていたものも15分程度で済むようになっています。

現場完結に加えて、業務分担にも活用していますか。

山崎様
山崎様
SPIDERPLUSで更新したものを内勤の事務担当と作業を分けていることもあります。
クラウドで共有できるので、内勤担当者は例えばExcelの帳票ファイルを整える作業をすることがあります。

「学び方もDX」、ウェビナーを活用した実践型スキル習得術

貴社でのSPIDERPLUS活用は若い方が中心ですか。

牛永様
牛永様
施工のグループに与えて、能動的に使う人を中心に使ってもらうことにしました。
横のつながりの強さも手伝い、使い出す人が出てくると、山崎がアーリーアダプター的に影響を与えていき、活用が拡がっていきました。

最近ではウェビナーを積極的にご覧になっている方もおいでだそうですね。

木戸脇様
木戸脇様
現在いる現場の予定が毎回のテーマとちょうど合っていることもあり、週に3回は見ています。
SPIDERPLUS Studyにも操作説明動画があるのですが、当日にウェビナーをリアルタイムで見て、翌日から機能を使うようにしています。
山田様
山田様
ウェビナーを見ながら一緒に操作を試すような感覚ですね。
アーカイブもあるので、それを見てまた確認するようにもしています。
木戸脇様
木戸脇様
SPIDERPLUSは機能が豊富です。
自分が使い切れていないところや、既に使った機能であってもおさらい感覚で見ると、新たな使い方について発見させられることもあります。
山崎様
山崎様
施工管理は横のつながりが強いので、何かとお互いに質問したり、雑談の中で操作方法について話したりすることもあります。そこで気づく使い方や、新たに覚えることもあります。

国境を越えた分業体制。ベトナムとつなぐ現場DXのかたち

ところで、貴社ではベトナムの関連会社を巻き込んだオフショア施策が行われているそうですね。

牛永様
牛永様
元々技能実習制度を使って2016年からベトナム出身の方を受け入れました。
彼らはとても優秀で、せっかく覚えたことがあるならばそれを役立てながら、つながりを保つことが出来たら良いのではないかと思ったのです。

現在は主に施工図や加工図などのCADの作業をベトナムで行っています。
また、自社の施工する物件でBIMのフロントローディングも行っています。

ベトナムで作図された図面を、CADデータからSPIDERPLUSでデータ読み込み、施工管理で活用しています。
例えば黒板の入力データ作成をベトナムで作図したCADデータから読み込み、写真の取り忘れや種々のチェック漏れなどは施工管理担当が手元のSPIDERPLUSで確認をします。
結果として現在は国をまたいだBPO的なものが出来てきました。まだまだ模索しながらではあるのですが…。

グループ内BPOのような体制で現場のノンコア業務を大きく減らしているのですね。

牛永様
牛永様
そうですね。例えばかつては自分たちで施工図を書いていましたが、現場から会社に戻ってきてから行っていました。
現在は日本から切り取り、ベトナムで請け負うことで、日本側の現場従事者の労働時間を削減しています。

重要なのは「どこにいるか」ではなく「現場を把握し、指示し、確認できるか」です。
SPIDERPLUSがその中軸になっています。
画面で見てベトナムの作業内容をSPIDERPLUSに同期させて確認する、という方法なのです。

働き方をデジタルで根本的に変えていくことがDXですが、既にトランスフォーメーションの只中にあるのですね。
今後SPIDERPLUSを活用して本質的に目指すことは何ですか。

山崎様
山崎様
私は残業をさらに減らすことです。
実際に労働時間を減少させることはできていて、ほぼ定時で出社と退勤をしています。

私自身がSPIDERPLUSをもっと使いこなすことによって、今度は自分自身から他の方に任せることができるものの割合を増やすことで、さらなる省力化と時間短縮を目指したいです。
牛永様
牛永様
現在の国を跨いだ分業体制や例えば保育所などの人的取り組みなど、当社では様々取り組んでいることがあります。
ただ、いずれも完成形ではなく、取り組み途上です。

施工管理については、この先分業化をさらに進めながらも、現場で働く一人ひとりが総合的な知識と責任感を持ち、技術を売るということを目指したいです。
そのためには課題意識はまだまだ絶えないですね。

作業を分担することはある人が特定の作業しかできなくなることではなく、皆が色々できるからこそ成り立つことだと考えています。
効率化も、総合的な知識の元で高い技術があるからこそ進むものでありたいです。

ありがとうございました。