• 空調衛生設備
  • ~100名
  • 福岡県

SPIDERPLUSの機能を駆使して、業務効率アップと労働時間の削減を目指す

福岡県糸島市に本社を置くシナノ設備は、給排水衛生設備、空調・電気・防災設備を手がけています。
「地域の皆さまとすべての施工に誠実であること」を掲げ、「生活を快適にするための施工で、生活を脅かしてはならない」という信念のもと、多様な施工実績を積み重ねてきました。
近年では、SPIDERPLUSの活用による効率化と地域貢献における副次的な価値創出が評価され、自治体から表彰されています。
糸島のオフィスを訪れ、SPIDERPLUS活用の工夫とDX推進によって本質的に目指すものを伺いました。

お話:株式会社シナノ設備
工事部 岡田 秀昭様(係長)、田中 幸樹様

「知らない」からこそ伸びる!初導入から活用浸透までの舞台裏

本日はお時間を割いてくださり、ありがとうございます。
シナノ設備様のSPIDERPLUS活用概況をお聞かせください。

岡田様
岡田様
当社は2025年で創業37年、社員数は26名でそのうち工事部の施工管理が9名を中心にSPIDERPLUSを活用しています。

導入の経緯についてお聞かせください。

岡田様
岡田様
とある改修工事を請け負うことになったことがきっかけです。
実は前職でSPIDERPLUSを使った経験がありました。
SPIDERPLUSの図面管理機能や写真管理機能を活用することで、効率的に進められるはずだと感じて上層部に提案したのです。

改修工事では施工前・完成前など、各段階で写真を撮って記録していきます。
SPIDERPLUSを活用すれば図面のどの位置をどの角度から撮影したものかという工事写真の情報も含めて図面に紐づけることが可能です。
図面と工事写真の機能によって、撮影後に必要な写真を探す手間を省くことができることは、改修工事全体の効率を大きく向上させます。

会社としては初の導入ではありましたが、前向きに受け止めてもらうことができました。

どのようにして活用が進んでいきましたか。

岡田様
岡田様
まずは1IDを導入しました。
改修工事で活用していきながら、会社に成果をアピールするうちに活用が浸透していきました。

当初効果が大きいと見込んだ図面管理や工事写真以外に、風量測定などの検査に特化した機能の便利さを中心に工事部長にも良さを認めてもらうことができて、ほぼ全員が活用することになったのです。

活用浸透を進める上で工夫したことはありましたか。

岡田様
岡田様
初めて操作を経験する人に活用方法を教えていくことから始めました。

建設DXのサービスには写真管理に特化したものなど、類似する機能を持つものが色々あります。
SPIDERPLUSは機能が豊富な分、類似サービスを使った経験を持つ社員ほど、既存の知見に足を引っ張られたり、目の前の課題に対してどの機能を使うべきか迷いが生じやすくなったりする傾向があると感じました。

そこで、まだ何も知らない社員を中心にゼロから操作方法を共有していき、活用浸透を進めることが合理的だと思ったのです。

「見やすさ」と「分かりやすさ」で変わる現場運用!フォルダ構成の秘訣

シナノ設備様といえば、SPIDERPLUS活用による工事の創意工夫が福岡市から表彰されています。
現場での活用方法で工夫していることをお聞かせください。

田中様
田中様
工事が始まる1〜2ヶ月前にSPIDERPLUS活用に関するルールを社内で細かく決めていきました。

最初に工夫したのはフォルダ構成についてです。
フォルダの並びを見ることによって、保存されている写真などを開かなくても何が入っているのかが分かるようにし、それが分かることで大まかな進捗さえ把握できるようにしました。

当初は工事前にフォルダを構成していく作業を手間に感じたこともありましたが、ここでしっかりと時間をかけておくと、工事が始まってからもの凄くラクになるのです。
岡田様
岡田様
一度フォルダ構成の仕方を決めてからは、他の工事にもこの方法を踏襲していき効率化を実現しています。

フォルダ構成によって把握する方法を確立したのはどのような背景からですか。

岡田様
岡田様
実は過去の失敗を活かしたのが現在のフォルダ構成による把握法、なのです。

かつては図面に工事写真を残し、メモの中にダクト・冷媒など、工種も残していきました。
ただし、設備の工事でははじめにお話したように、1つの施工箇所でも残す写真が多岐にわたります。
また、写真とメモが積み重なっていくと、最新情報の特定が困難になりメモを探す手間がかかるという課題が生まれました。
田中様
田中様
大項目ごとにフォルダ(例:設計図、工事写真など)を作成し、工事写真フォルダ内には「着手前」「完成」などの子フォルダを構成しました。

各フォルダには1つの図面のみを残し、各段階(着手前、完成など)の写真やメモを紐づけて保存する運用としています。

このルールにより、図面と写真・メモが1対1で管理され、誰が見てもフォルダ構成から状況を把握できるようになりました。

お客様からも「見やすく分かりやすい」と好評です。
岡田様
岡田様
ルールを作るときに一番大事にしたのは、「どこに何があるか」が誰にでも分かりやすいことでした。

たとえば工事写真は、進捗ごとにA・B・Cといった具合にフォルダを分けて整理します。
建設業界では材料関係の写真も多く撮りますが、今回は空調や換気工事が対象だったので、用途ごとに撮影ルールを決めてそれぞれに合った材料のフォルダを分けていきました。
こうしておけば、最終的にはワンクリックで必要な情報にアクセスでき、管理作業もぐっと楽になります。

また、同じ図面でも状況に応じてフォルダを分けておくことで現場ですぐに状況を把握でき、取りこぼしも防げます。

メモを見るために毎回ダウンロードしたり、他の人と情報を共有しながら進めたりすることは意外と手間がかかりますし、正しい情報をみんなで把握するのも簡単ではありません。

だからこそ「見やすさ」や「分かりやすさ」を徹底することが、お客様からの信頼にも直結するのだと実感しています。
田中様
田中様
写真と図面をセットで見やすく整理したことで竣工検査などで写真をチェックする際、「何を」「どんな用途で」撮影したのかがすぐに分かるようになりました。

特に福岡市や官庁物件の工事では、機器の設置状況や個数なども一緒に伝える必要があるため、図面付きで情報をまとめておくと確認がとてもスムーズです。

このルールに変えてからは「とりあえず写真を撮っておく」だけでも十分な記録となり、他の人に作業を依頼する際もお互いの手間が減って楽になりました。

工事写真についても効率化のために工夫したことがあったそうですね。

田中様
田中様
帳票出力では、私たちが普段使っているエクセルのフォーマットをそのままPDFに変換するようにしています。
黒板に必要な情報をすべて入力しておけばすぐにPDF化できるので、作業時間が大幅に短縮されました。
この方法は福岡市をはじめとした公共工事でも高く評価されています。

ちなみに、使っているExcel帳票は最初から用意されていたものではなく、官庁などで求められる書式に合わせてカスタマイズしたものです。

SPIDERPLUSのデフォルト書式では対応できないと聞いたので、サポートセンターに電話してカスタマイズ方法を教えてもらい現場に合った書式を設定しました。
こうした工夫によって、工事写真の管理もよりスムーズに行えるようになりました。

SPIDERPLUSのユーザーサポートについてどのような印象をお持ちですか。

田中様
田中様
すぐに対応してくれるので安心して積極的に活用できます。

現場では目の前に実現したことがあるからこそ、疑問点も湧いてきます。
すぐに答えを求めたいときに手助けをしてもらえるので心強いです。

また、最近はウェビナーやYouTubeでも操作方法が取り上げられていますよね。
サポートセンターの対応時間外などに動画を見返すことで操作方法を習得しやすくなっています。

効率化で生まれる余裕と副次的な価値創出、SPIDERPLUS活用で広がる現場の可能性

現場でSPIDERPLUSを活用する価値はどのようなところにあるでしょうか。

田中様
田中様
コミュニケーションの改善にあると思います。

最近手掛けた改修工事の中には、「土日工事」と言って、土日だけ工事をする現場がありました。
土曜日曜の両日全員が現場に出るのではなく、誰かは休みをとっています。

SPIDERPLUSを活用することによって、施工状況をフォルダと写真で明確かつ簡潔に把握することができます。
現場状況が効率的に分かるため施工時間を短縮できますし、休み中の社員に電話をかけて不明点を確認する必要もありません。
岡田様
岡田様
現場では打ち合わせや会議も色々行われます。

資料管理機能から会議に参加をすればSPIDERPLUSの中にメモを残すことができます。
資料もすべてタブレットの中に入れて持ち運べます。
参加予定者に「このフォルダに資料を入れておいてください」と伝えるだけで従来の準備にかけていた時間も不要になりました。

以前は打ち合わせ中でも分厚いファイルを何冊も抱えてそこから必要な資料などを探さないといけなかったものが、今ならSPIDERPLUSでフォルダを辿れば把握できるようになりました。
話もスムーズになり会議も短縮されるため、すぐに元の作業に戻ることができます。
田中様
田中様
SPIDERPLUSを導入して時間削減ができ、現場の職人さんたちやお客様とコミュニケーションをとりやすくなっています。

図面を一緒に見ながら細かい要望事項を伝えることができますし、コミュニケーションの質が高まったことで、お客様の満足度をより高める施工ができています。
職人さんの中には高齢の方もいますが、紙図面では見づらかった箇所も画面を指で拡大して見せることができるので、お互いに理解しやすいです。

様々なことが効率化されたおかげで働く自分たちも時間にゆとりがあることから、さらに本質的なことに時間を割くことができていて、品質の向上についても自負があります。
岡田様
岡田様
SPIDERPLUS活用で残業時間が減ったことによって、現場にいる時間が短くなればCO2削減にだって繋がります。

先日の現場では使われていた紙ごみをリサイクルしたトイレットペーパーも作りました。
こうした取り組みも、SPIDERPLUS活用でゆとりが生まれたからこそです。

外装デザインは地域の大学に依頼し、福祉作業所の方たちが一つひとつ手で巻いて仕上げた、まさに地域ぐるみで実現した価値創出といえます。

▲建設現場の紙ごみをリサイクルして作られたトイレットペーパー

素晴らしいですね。今後のSPIDERPLUS活用で本質的に目指していきたいことをお聞かせください。

岡田様
岡田様
シナノ設備では月の残業を15時間、年間で180時間以内に抑えることを目標にしています。

現場ではどうしても予期しない事態が起きることもあって、以前は時間外対応することもありました。
しかし今はSPIDERPLUSのおかげで状況を簡単に把握でき、業務時間内に問題解決できることが増えています。
その結果定時で帰ることができる日が増えて、目標の残業時間にもかなり近づいてきました。

設備の現場では必ず試運転が発生します。
たとえば風量測定や耐圧試験、指摘管理機能など、現場の作業に特化した機能をもっと活用していきたいと思っています。

そうすることで品質を保ちながらより働きやすい環境を作り、効率よく施工を続けていきたいです。
田中様
田中様
SPIDERPLUSには便利な機能がたくさんあるのでそれをもっと活用して、業務時間内にできることをどんどん増やしていきたいと思っています。
その分労働時間も削減できればと考えています。

シナノ設備は糸島にあって、海もすぐ近くなんです。
効率的に働いた後はみんなで船に乗って釣りに行ったり、自分たちのためのアクティブな時間を楽しみたいですね。
しっかりとリフレッシュして、また良い仕事につなげていきたいです。

ありがとうございました。