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DX推進とともに、人でしか出来ないことを存分に

建築、設備などで導入の広がるSPIDERPLUSですが、野村不動産パートナーズ様はご自身の導入ジャンルを「リニューアル」と表現します。オフィスビルのリニューアル、内装工事や、大規模な地震などの災害発生時には迅速な状況確認作業にも活用している実情を建築事業本部の皆様に伺いました。

お話:
画像向かって左側より
野村不動産パートナーズ株式会社 建築事業本部
神原周見 様(建築インテリア二部 建築一課 課長代理)
星野真唯 様(建築インテリア二部 建築一課 主任)
根津昌也 様(業務総務部 業務一課 課長代理)

※撮影時のみマスクを外しています

ーはじめに皆様の役割をお聞かせください。
根津様(以下N):神原は現場で、星野はもともと私と導入の際に事務局で補佐の仕事をしており、現在は現場でSPIDERPLUSを活用しています。私は事務局で現場を支える役割です。

ーそうすると星野様は事務局時代の知見を現場で役立てていらっしゃるのですね。
星野(以下H):そうです。説明会のたびに何度も操作方法を聞いていたので、実際に現場で使うとなった際に事務局での経験が役に立っていると感じています。

神原様(以下K):私と星野は各案件の情報を共有する目的でSPIDERPLUSを活用しているのですが、スムーズに画像などの明確な情報に基づいたコミュニケーションが成り立っていると感じています。また、協力会社の方や、CADオペレーションを担当する社員とも、内装施工のレイアウト情報などを共有して、便利に使っています。

ーありがとうございます。SPIDERPLUSを採用した際は、どのような背景があったのでしょう。
N:建築事業本部では、新しいことにどんどんチャレンジしようという姿勢のもと、IT技術の活用を進めています。
現場の管理を行なう際に、SPIDERPLUSを活用することで現場の記録や情報共有がスムーズになること、現場の手間の軽減をできることが魅力的だと感じました。それからペーパーレス化も進むだろうと考えました。
導入企業の顔ぶれを見ますと、現場での協力関係にある企業が既に導入していたことや、また、改修工事に活用していくための機能や特徴も備わっていて、現場で有効に利用できそうだと感じました。コストについても導入時の手軽さはもとより、サポートが充実していることも重要視し、導入することを決めました。
ライセンスを共有できることも求める使い方に合っていました。導入検討時、建築事業本部は260名ほどいて、現場で使う人間は170名ほどにのぼるのですが、彼らが使うレベルや頻度、ニーズに合わせて浸透を進めていくのにも適していると判断しました。

ー導入当初から協力会社との連携が構想にあったのでしょうか。
N:そうです。当時から考えていました。協力会社も含めた現場の情報共有にSPIDERPLUSを活用することでスムーズに仕事を進めていくことができそうだ、と思ったのです。

ーSPIDERPLUSを実際に使ってみて、導入効果を感じるのも早かったでしょうか。
N:早かったです。導入して1、2ヶ月ほどで意見を吸い上げると効果が出ていることを実感しました。まずは現場で活用する人たちにSPIDERPLUSを知ってもらうことを目指しました、次は使っていくことです。しばらくすると使いこなし具合に差が出てきますから、使いこなせている人たちをさらに高めることを進めていきました。

ーまずはトップラインを引き上げていったのでしょうか。
N:そうですね。前向きに活用できる人たちにはどんどん使いこなしていただき、あとは実際の活用状況について、数値化した結果から伸びしろを見出して支援していきました。

ー判断の指標はどのように決めていきましたか。
N:社内だけで決めたもの以外に、スパイダープラスの営業やカスタマーサクセス(※スパイダープラスの既存顧客を対象に、活用促進を包括的に支援する部門のこと)からの意見も聞いた上でピックアップしていきました。例えばログイン頻度はベーシックな活用頻度を表すだろうし、図面の共有枚数が月あたりに多ければ多いほど、最新情報の共有に対する積極的な取り組みの表れと解釈することができる、というようにです。

ー神原様や星野様は前向きにご活用ということですね。
K:工事の進捗状況をお客様にお伝えしていきます。その時に情報を日付ごとにタブで分けることができると、更新頻度を上げることもできますし、リアルタイムな情報を、SPIDERPLUSを介して共有していくことにもなります。

ーこうした作業の積み重ねが高い頻度での利用、という結果になってくるということでしょうか。
N:即時性の高い情報共有の中にSPIDERPLUSが手段として位置づいています。
写真を残せることもそうですし、画角ひとつとってもどこから見た状態のものなのかという精緻な情報を付与できるため、機能を組み合わせることで情報量を増やすことができ、情報共有の質を高めることに繋がっています。

H:社外の方との共有もそうですが、社内での連携・共有にもメモの機能が大きな役割を果たしています。単に写真だけ、ではなくそこに書き込みを加えることで、リアルタイムにその場にいない方にもなるべく詳しくお伝えすることができています。

ーちなみに、会社全体の効果としてはどういったものが挙げられますか。
N:建築事業本部としては、特にオフィスビルを担当する部門で効果を実感できており、事務作業の効率化をはじめ、紙媒体の出力が不要になったことによるペーパーレス化、およびそれにかかる移動時間などの削除にも繋がっております。

ーそれは凄いですね。サポートのご利用について、お話をお聞かせください。
H:実はサポートセンターに電話をかけて問い合わせるよりも、社内の事務局がとりまとめるようになっています。

N:活用状況を把握する目的もあり、まずは事務局として物事をとりまとめる体制になっています。統制のもとに活用していくためにも、現場状況を把握した上でルール作りなどにも活かしたいので、伝達経路を明らかにして、誰に聞けばすぐに分かるのかを明確にしています。そうした体制のもと、良いことも悪いことも把握した上で適宜必要なアクションが出来るようにしています。

ー良いことにはどのようなエピソードがありますか。
N:指摘管理機能の活用です。導入当初から入れていますが、事務局の予想とは異なり、現場が使いこなせていなかったのです。その時に現場側から既存のフォーマットを登録してほしいとのリクエストがあがりました。登録をしたことによって、指摘管理機能の活用を具体的に進めていくことができました。

K:昔から使っていたフォーマットがあったので、せっかくならばそこに近づけられたほうが使いやすくなるのではないかと思いました。SPIDERPLUSに現場を合わせる一方ではなく、現場の状況に機能をあわせてうまく歩み寄らせていきたかったのです。以前は何かのたびに現場で複数の資料を見なくてはなりませんでした。SPIDERPLUSを活用することで1箇所を見れば済むようになったのでそういう点も手間の削減に寄与しています。以前は何かあるたびに撮影し、図面に手書きでメモを残して、現場作業が終了した後に事務所に戻って今度は画像を取り出して整理して…と、どこまでも雑務があったのです。その状況と比較すると、SPIDERPLUSは画期的だと思います。

ーちなみにSPIDERPLUSで浮いた時間はどのように使っていますか。
K:他の仕事の時間に使うことがあります。
N:会社としては、SPIDERPLUSなどのデジタル活用によって、人にしかできない業務に注力できる割合を増やしたいと考えています。そうすることによって、お客様に提供するサービスの品質など、仕事の質を高められると思っているからです。

ー人でしかできない、例えばクリエイティビティを発揮するような業務に注力することなどが仕事の質を高め、SPIDERPLUSなどのデジタル活用もそこに手段として紐付いてくるという考えでしょうか。
N:そうですね。

ーところで、福島県沖地震でSPIDERPLUSを活用したエピソードをお聞かせくださいますか。
N:2021年2月13日に地震が発生した際、当社が管理するマンションの被害状況を調査する目的で活用しました。SPIDERPLUSを災害に対して使うのは初めてでした。
先に効果を数値でお伝えすると現場での状況調査は52時間、その後の事務的な作業で48時間、合わせて100時間削減することができました。
災害は突然発生しますから、普段の工事と違って事前の準備作業のための時間がありません。それでも、図面がどこに入っているかさえわかればSPIDERPLUSで写真を紐付けてコメントを入れるだけで状況調査を進めることができます。導入前に行なっていたような、現地に行って紙図面を持ち歩いて撮影してまとめてリサイズして印刷して…というのに比べると、レポートを出すまでの手間が大きく違ってきます。
こうして地震発生から1週間以内で、最終的な報告書を、10センチほどのファイル2冊分の調査成果物として出すことができました。
この経験を元に、2022年3月に地震が発生した際もSPIDERPLUSを活用しています。

ー2021年の地震が発生した際に活用することはすぐに思いついたのですか。
N:そうです。実はSPIDERPLUSを入れて間もない頃ではあったのですが、なんとか活用できないだろうか、と思い、試してみることになったのです。

ー普段使っていらっしゃる方とは、違う方々がお使いになったのですか。
N:そうです。日頃SPIDERPLUSを使っている方も何人かはいましたが、使用経験が全くない方や経験の浅い方が大半でした。ただ、「画面で図面を出す」、「該当する箇所で写真を撮影する」、「コメントを残す」、この3つに使う機能を絞りました。あとは現場から分からないことがあればすぐに問い合わせを受けられるようにしました。コメントの入力に際しては個人差が生まれることもあったのですが、直感的に使っていける機能であり、担当する業務を効率的に進めてもらうことができたように思います。

ー経験の浅い方が使うといえば、新入社員への教育でも貴社ではご活用なさっていますね。
N:新入社員に対しては全員にiPadを渡しています。OJTなどでは、カスタマーサクセスの方が現場まで来て説明してくれます。あとは、SPIDERPLUSの活用方法のレクチャーを受けることに加えてSPIDERPLUSが使われた他の現場の写真を見ることが出来るようになっていて、そこから明確な情報を伴って経験の浅い若手が学ぶことが出来るようになっています。
さらに、こうしたことには代理店の方も積極的に参加してくださって、時には文字通りに当社のエージェントとして、機能説明を請け負ってくれたりもしているのです。

ー自社でガバナンスを確立しながらも、自社完結はさせずにコミュニケーションを大切にしながらDXを進めていらっしゃるのですね。本日はありがとうございました。