導入事例

CASE STUDY

建設【鹿島建設】設計段階のフロントローディングでBIMデータを生成! 「余裕度」を高め数々の施工合理化を実現したフルBIM現場

オービック御堂筋ビルプロジェクト×鹿島建設

オービック御堂筋ビル

鹿島建設が、大阪 御堂筋で建設を進める地下2階・地上25階の超高層ビル「オービック御堂筋ビル」が、竣工の時を迎えた。設計・施工を担当した鹿島建設 関西支店はこの新築計画をフルBIMプロジェクトと位置づけ、設計施工から維持管理までBIMデータ活用を中心とした多彩な新技術を多数投入している。ここでは特に施工段階におけるBIM活用を中心に、加藤誠副所長にお話を伺った。

初のフルBIM案件でBIMデータの活用法を探る


加藤誠氏

「プロジェクトへの参加が決まりメンバーと初めて顔を合わせた時から、皆の思いは“BIMでやろう!”ということで一致していました」。

計画が動き出した2016年当時を思い出しながら、加藤氏はそう語った。

オービック御堂筋ビルは、大阪中心部のビジネス街である御堂筋に面した超高層ビルの新築プロジェクト。オフィスやホテル、店舗、ホールが入居し、最新の耐震・省エネ設備や災害時緊急設備を備えた新たなビジネス拠点となる。

これが自社設計施工案件だったことから、設計施工から竣工後の維持管理までトータルにBIMを用いる、フルBIMでの運用が決定したのである。
BIM活用を推進する鹿島建設だが、実は同社関西支店としては、これが初のフルBIM案件だった。

完成間近のオービック御堂筋ビル(2019.12撮影)
完成間近のオービック御堂筋ビル(2019.12撮影)

設計段階ではいわゆるフロントローディングを行い、さらに施工段階では、そこから生まれたBIMデータをさまざまに活用して施工合理化を図っていった

加藤誠氏

「フルBIMでやるからには、本現場では可能な限りのBIMデータ活用手法を試そうと決めました」。

いわば加藤氏らは「何がBIMデータの有効的な使い方なのか?」実現場で探っていこうと考えたのである。

加藤誠氏

「まず企画設計段階では、着工時不整合0を目指してスーパーフロントローディングを行いました」。

メンテナンスや機器更新計画を検証することで施工図レベルのモデル検討を行い、総合BIMプロット図の早期作成により施工で活用できるBIMモデルの作成を目指したのである。

加藤誠氏

「次は施工フェーズですが、前述の通りBIMデータを施工で利用する多様な工夫、特に施工合理化の取組みに挑戦しました」。

たとえば、オフィスエリアの空調設備は、気流シミュレーションへデータ連携し、モジュールプランニングを実施。
高効率生産の軸となる、合理化、プレファブユニット化強化のための製造設計へのデータ展開を促進したのである。

さらに最小限に絞込んだモジュールをプレファブ化し、系統ごとに分けたフレキをコンテナで搬入してパッケージング。
QRコードを貼り付け、BIMの施工データと連携しながら工事進捗を管理していった。

先行して工事を終えたオフィスフロアに「ユニット工場」を設置
先行して工事を終えたオフィスフロアに「ユニット工場」を設置

流れ作業で部材を組んでホテルシャフトをユニット化
流れ作業で部材を組んでホテルシャフトをユニット化

屋上躯体のフルPC化
屋上躯体のフルPC化


加藤誠氏

「つまり、設計段階ではいわゆるフロントローディングを行い、さらに施工段階では、そこから生まれたBIMデータをさまざまに活用して施工合理化を図っていった、という流れになります。

これに加えてもう一つ、私がどうしても挑戦したかったのが検査――試験調整の合理化です。
そして、そのために選んだのがSPIDERPLUSでした」。

RebroとSPIDERPLUSの検査機器連携で、 成果物の品質向上とFMまで見据えたデータ連携による業務効率化

Rebro&SPIDERPLUS連携から生まれる大きな可能性


加藤誠氏

「照度や風量等、各種検査記録のためのシステムは、各メーカーや当社オリジナルのもの等、数多くの製品があります。
しかし、実はそれらを活用するには、図面や設備情報を入力した帳票を作成するなど、膨大な準備作業が必要となります。この手間のかかる作業を何とか合理化できないか? というのが、今回の現場における私のもう一つのテーマだったのです」

加藤氏のこの発想は、他の施工合理化策と同じ地点からスタートしている。
すなわち、こうしたフルBIM現場ではフロントローディングによりプロジェクトに関わる一切の情報が集約され、BIMデータベースとして整備されている。

ならばこのBIMデータを検査システムに連携させることで、煩雑な検査前準備や段取りを省略できるのではないか――というのである。
それにはまず、最適な検査機能を備えたアプリケーションが必要だった。

BIM総合プロット図へ属性情報を付加
BIM総合プロット図へ属性情報を付加

加藤誠氏

「自社で開発した検査システムは各ゼネコンにあり、従来サブコンは発注元ゼネコンに合わせて異なるツールを使わざるを得ませんでした。それは合理的とはいえませんよね」。

むしろどの現場でも共通で使えるツールの方が発展性に富み、広く普及する可能性も高い――加藤氏はそう考え、市販製品から選定することにしたのである。

加藤誠氏

「必要な機能を持つ製品は複数ありましたが、既に多くの協力会社に使われているものほど導入のハードルは下がります。調べると現場で一番多く使われていたのは SPIDERPLUSだったのです」。

加藤氏はすぐレゴリス担当者と、BIM設備CADとして選定済みだったRebro開発元のNYKシステムズ担当者を招聘。両社に製品のBIM連携を打診し、快諾を得たのである。

加藤誠氏

「要は、Rebroで作成した“各種の属性データが入ったBIMデータ”を、そのままSPIDERPLUSに取り入れ活用させることで、検査前に検査箇所情報を事前登録するなどの煩雑な段取りを軽減しようというわけで、実現すれば非常に大きなエポックになります」。

実際、この連携が実現すれば、現場BIMデータベースの拡張利用が試験調整関係はもちろん、竣工後の施設運用フェーズまで、大きく裾野を広げていくことになるのである。


加藤誠氏

「たとえば生産施設なら定期的に温度測定や照度測定などを行う所も多く、多様な活用シーンが考えられます。
こういう場面でSPIDERPLUSをBIMデータと連携させ、その測定履歴までデータベース化できるシステムに育てていければ、その有効性は計り知れないでしょう」

BIM導入で現場の余裕度が増し、多様な施工合理化の取組みも実現

こうして本現場へ導入されたSPIDERPLUSは、サブコン各社により各種の検査測定業務に活用され、成果を上げつつある。
実現場での活用状況については、サブコン各社の記事をご覧いただきたい。

BIMを用いた座談会型打合せ
BIMを用いた座談会型打合せ

加藤誠氏

「たとえば現場全体の労務は、プレファブ化等により当初予定から2割程度抑えられ、現場から出るゴミも削減しました。
もちろん副次的に労災のリスクも抑えられましたね」。

これはBIMの導入により現場の余裕度が増したことで、さまざまな施工合理化の取組みが実現できたからだろう、と加藤氏は考えている。


加藤誠氏

「まだ十分な情報収集ができていませんが、SPIDERPLUSの運用についても一定の効果が上がっているようです。
BIMとの連携についてはまだまだ課題もたくさんありますが、この取り組み自体、サブコン各社が測定業務の効率化という問題に目を向けるきっかけになったと感じています。
実際、現場でもこれをなんとか解決しよう、という前向きさが見えてきました。これこそ今回最大の成果かもしれませんね」。

 

インタビューご協力:鹿島建設株式会社 様

加藤 誠 氏

鹿島建設株式会社 関西支店
オービック御堂筋工事事務所
副所長
加藤 誠 氏

鹿島建設株式会社
本社/東京都港区
事業内容/建設事業、開発事業、設計・エンジニアリング事業ほか
https://www.kajima.co.jp

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