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品質管理チェックシートの活用で多くのスタッフが出入りする現場の効率をUP。作業負担を軽減し、長期的な品質の向上にもプラス

野村不動産の「PROUD」ブランドはハイグレードな分譲マンションのアイコン的存在。
同社では、居住する方が生涯にわたって満足して過ごすことができるように「製・販・管の一貫体制」を作り上げています。

ユーザーからの安心・安全などに対する要望が高まる一方で、現場では建設サイクルの中で、作業のチェック項目が増大しています。

野村不動産の品質管理を担当する宇野弘蔵氏に、ブランド価値を高め続けている現場の実際について、お話を伺いました。

高まる安全要求と増えゆくチェック項目、品質保持の課題とは

野村不動産株式会社 品質管理部 宇野 弘蔵 様

野村不動産様(以下、野村不動産と表記)がマンションデベロッパーとして、抱えている品質管理の課題とは一体どのようなことでしょうか。

マンションは工場で大量生産する製品とは異なり、それぞれの物件ごとにゼネコン・サブコン・専門の工事職人と様々な人の手を介します。
さらには同じPROUDシリーズの物件であっても、作り手はそれぞれ異なります。

こうした前提のもと、一定水準以上の品質を保った建設物にすることが、大きな課題です。
品質を保つためには人や作業の分だけ支援する項目が多岐にわたります。

その解決方法を検討し、品質向上を果たしていけるように管理をしていくのが私の所属する品質管理セクションの仕事です。
人や作業が多岐にわたり、項目が膨大なため、管理といっても、単にチェックリストを作って済むというものでもないのです。

宇野様が入社した頃に比べて、チェックするポイントは増えましたか。

見るべきポイントは増えています。
近年はマンションについてニュースで取り上げられることも増え、耐震の取り組みや構造を始めとし、ご購入を考えるエンドユーザーの皆様の目線が厳しくなってきていると感じます。

こうした背景のもと、現場でチェックする項目が増えますし、品質管理の基準も年を経るごとに高いものになっていきます。

チェック項目が多いというだけではなく、野村不動産の場合は多くのスタッフを抱え、自身の足で品質を担保する体制が特徴と感じていますが、いかがですか。

そうですね。
弊社は特に現場との対話を重視している会社だと思っています。

1級建築士などの資格取得を奨励しているのですが、それは現場以外の推進部門でも資格取得を通じて専門知識を身に着けることも大切にしています。
また、専門の技術者が日々現場に足を運びます。

単に知識をつけたり書類の上で物事を済ませたりするだけではなく、現場でも実際の業務を通じてそれぞれが学んで品質に繋げようという考えです。

野村不動産の現場では、SPIDERPLUSを介して品質管理チェックシートが活用されています。野村不動産自体が直接のメリットを受けることではないですが、それでもツールやクラウドの活用など、DX推進をした理由は何ですか。

導入を決定したきっかけは現場からの要望が強かったことです。

弊社は現場からの意見を吸い上げ、商品改良をしていく社風があります。
現場の負担を軽減できるのであれば、自分たちが直接メリットを受けるかどうかに関わらず、ぜひ協力していこうという会社としての姿勢の現れです。

現在では社内でもDX化への取り組みに積極的ですし、日常業務でも様々な切り口で導入が進んでいます。

働き手のコンディションも重要ポイント、PROUDブランドを高める現場の効率化

建設現場で、一般に負担となりやすいことは、どのような例が挙げられますか。

出入りする人や役割が多く、仕事の内容もそれぞれが異なるものを受け持っていること、チェック項目も多岐にわたり、負担も多いことです。

例えばマンションの現場では設備・構造・建築など多くの関係者がいますが、担当者ごとに現場でチェックする項目があります。
今日は配筋をチェックし、明日は設備をチェック、というようにたくさんのことを見ていかなくてはいけません。

さらに、先ほどお話ししたような時代背景も手伝い、チェックする項目が多くなっていきます。
多くの人が出入りするとは言ってもリソースは人的にも時間的にも限りがあるものですから、そこからチェックに対応していかなくてはいけません。

こうしたことを踏まえて、少しでも現場に携わる方々の時間の負担を軽減してもらいたいと感じています。

作ってもらう立場の皆さんも必要以上のストレスを感じない環境のほうが、良いものを作るのに適しているということでしょうか。

現場のレベルではチェック作業の負担の大きさは課題です。
業界レベルでは、労働時間が長くなりがちだという印象を持たれることも少なくないため、人材の定着率が良くないという課題を抱えています。

その課題を解決するために、例えばサブコンならば現場の働き方を変えることによって悪いイメージを払拭し、ついては働き方を変える。
そのために、事業主として協力することは必要だと考えます。

チェック作業をデジタル化して「現場を楽にしてあげたい」という気持は、施主からゼネコン・サブコンなどの現場にはどのように伝わっているのでしょうか。

概ね好意的に受け入れられていると感じます。
便利になってありがたい、という声がほとんどですね。

SPIDERPLUSは業界での認知度が高く、導入している企業や導入を検討している企業が多いですよね。
会社でDX化について話すときもSPIDERPLUSの話題は上がってきます。

今後野村不動産のPROUDの現場の管理やチェックが紙ではなくてiPad1枚でできるようになると、現場の負担はどう変化しますか。

管理やチェックに割いていた時間を短縮できるようになること、その分の時間を他の仕事にまわしたりクリエイティブなことに充てたりと、時間の使い方が変化していくと考えます。

建設工事というのは朝8時から夕方5時までが定時として、現場の施工に時間を割くのがほとんどのようです。
チェックした内容を帳票に起こしたり、確認したりする作業は定時後に事務所で行なうことが多いと聞きます。

これまで定時後に行なってきた作業を、現場施工の間の業務時間中に完結させることができれば、その分の時間が空きますから他の仕事をする時間にしたり、英気を養うための休息に充てたりすることができます。

チェックシートをクラウド化することで、単に労働時間が短くなるという短期的なメリットだけでなく、時間の使い方が変わることで品質の向上にも繋がり、ブランドにとって長期的なメリットも生まれてくると思っています。

現場を知る会社が作っているアプリ、今後も現場発のアップデートを

ありがとうございます。最後にSPIDERPLUSに求める要望があればお聞かせください。

今後も現場での声を反映してほしいです。

スパイダープラス社と一緒にやっていこうと思ったのは、現場をよく知る会社だからです。
IT専門の会社が作ったアプリだと、現場での使い勝手が見えないため、アプリそのものやチェックリストも、使いやすいとは言いづらいものになりがちです。

その点スパイダープラス社は現場に根ざしていて、施工をわかっている人たちが実際に作っているというのが強みです。
実際に使用している現場の声をもっと吸い上げていき、アップデートしていってほしいですね。