施工管理の人手不足が深刻化。建設業界が抱える問題点と対策
- 業界市場動向
建設業が抱えている深刻な問題のひとつが「人手不足」です。なかでも施工管理は業務処理の煩雑さゆえに作業が長引きやすく、人材採用と並行して、効率化の手段を模索している企業は少なくありません。
この記事ではそうした施工管理における人手不足の問題点や、政府の取り組み、効率化に向けて企業ができる対策について解説します。
目次
建設業界の施工管理業務における人手不足の課題
建設業界の施工管理業務においては、特に若手の人手不足が喫緊の課題です。そんな中、施工管理の需要は今後も増大することが見込まれています。
若手の就業者が20年間で激減
国土交通省の中央建設業審議会(令和3年10月15日開催)配布資料の「資料1 最近の建設業を巡る状況について」によれば、建設業就業者は、55歳以上が約36%、29歳以下が約12%と高齢化が進行しています。全産業の就業者の割合は、55歳以上が約31%、29歳以下が約17%であり、この割合と比較すると建設業の若手就業者は全産業の平均を下回っています。
この20年間で就業者の高齢化が急速に進行するとともに若年層が激減していることから、次世代への技術承継は優先すべき課題です
情報出典元:国土交通省 建設産業の現状
施工管理の需要は今後も増加する見込み
若年就業者の人手不足が加速している状況とは裏腹に、施工管理の需要はますます増大していく見込みです。わかりやすい例でいうと、以下のような大規模な建設プロジェクトが進行しています。
- 大阪万博に向けたインフラ整備【~2025年】
- 品川・名古屋駅間のリニア中央新幹線開通プロジェクト【~2027年】
- 高速道路リニューアルプロジェクト
- IRリゾートに関連する工事
- 高度成長期以降に整備されたインフラ維持管理
こうしたインフラ整備の需要拡大に伴い、施工管理の仕事が増えていくことは必然と言えるでしょう。そのため、施工管理の人手不足解消は早期に対策を講じるべき課題です。
国が取り組む建設業界の働き方改革とは?
上述した現状も踏まえて、政府は人手不足の問題点を解消すべく、建設業界における働き方改革を推進しています。具体的な4つの施策と、現場に求められている課題を確認していきましょう。
残業時間の上限規制
建設業の年間の総実労働時間は全産業の平均と比べて年間約360時間以上長く、長年高止まりの傾向にあります。
働き方改革関連法により、2024年4月1日以降、建設業に時間外労働の上限規制が適用されます。規制対象は災害の復旧・復興を目的とする事業を除いた、すべての仕事。特別な事情があって具体的に取り決めをしない限り、時間外労働は月45時間、年360時間以内に制限されます。
週休2日制の推進
公共工事における週休2日工事の実施団体・件数が大幅に拡大され、民間工事においてもモデル工事が試行されています。あわせて週休2日の実施に伴う必要経費を的確に計上するために、労務費、機械経費(賃料)、共通仮設費、現場管理費の補正率の見直しが行われています。
技能に見合った給与の実現
給与面では、技能・経験にふさわしい処遇(給与)を実現すべく、建設技能者の能力評価制度が策定されます。この能力評価制度の検討結果を踏まえ、高い技能・経験を有する建設技能者の公共工事での評価や、当該技能者を雇用する専門工事企業の施工能力等の見える化が検討されています。
生産性向上の取り組み
中小の建設企業による積極的なICT活用を促すために、公共工事の積算基準等が改善されます。工事書類の作成負担の軽減に向けて公共工事に関係する基準等を改定するとともに、IoTや新技術を導入することで、施工品質の向上と省力化が図られます。
膨大な資料管理が働き方改革のボトルネックに
上述した国の取り組みを踏まえて、施工管理の業務効率化のポイントを考えてみましょう。例えば、建設業界ではいまだに紙で図面を管理しているところが少なくありません。しかし、紙での管理には以下のデメリットがあります。
- 資料が膨大になって纏めづらい
- 雨に濡れると欠損する可能性がある
- 作業後に撮影写真を貼付する手間が増える
こうした扱いづらい資料を整理した上で記録台帳を作成しなければならない従来型の業務は効率が悪く、作業時間もかかります。現状を改善するには、企業側でもIT化を推進する必要があるでしょう。
ピンチはチャンス!施工管理のDX化で期待できる業務効率の改善
では、施工管理の人手不足解消と業務効率化を考えたとき、ICT技術を取りいれることで期待できる効果はどのようなものでしょうか。代表的なものを3点、解説します。
《効果1》働き手のストレス軽減
これまで紙で図面管理をしていた場合、クラウドサーバーでの保存・管理を行うことで、情報共有の負担が軽減されます。さらにタブレット端末を取りいれれば、検査記録時の黒板、カメラ等の携行品を格段に減らすことができるでしょう。
現場での資料閲覧も迅速に行えるため、働き手のストレス軽減につながります。
《効果2》若手への業務継承
施工管理をシステム上で一括管理すれば、属人化しがちだった業務の共有が容易に。資料をデジタル化することで、複数端末での同時閲覧も可能になりますので、若手への業務継承がスムーズに進みます。
《効果3》離職率の低下
現場のストレス軽減と業務継承の効率アップは、施工管理担当者の職場定着だけでなく、若手の育成にもつながります。人手不足で悩む施行管理部門における離職率の改善が期待できるでしょう。
施工管理業務の効率化を促進!SPIDERPLUS導入のメリット
これまでに述べた施行管理の人手不足解消と業務効率化の問題はSPIDERPLUSを導入することで解決できます。
SPIDERPLUSは建設業、設備業、メンテナンス業向けのタブレットで行う施工管理アプリです。ここでは代表的な標準機能の一部を見ながら、導入のメリットを紹介します。
《導入メリット1》iPadとPCで図面管理が容易に
SPIDERPLUSは、iPad端末に保存された写真はもちろん、内蔵カメラで撮影した写真もそのまま添付可能です。
コメント入力・図面内手書き入力・図面内距離測定など多彩な機能が盛り込まれているため、容易にすっきりした図面管理を実現できます。(図面を使わない作業であればiPhone版の使用も可能です)
《導入メリット2》黒板も電子化。工事写真機能
SPIDERPLUSの「工事写真機能」を使えば、現場で撮影した工事写真を簡単に写真帳にまとめられます。電子小黒板をカスタマイズでき、現場や業種ごとにテンプレートを登録することも可能に。
工事写真を図面と紐づけることで、日時や撮影場所の情報が自動で登録できるため、デジカメで撮影した写真をPC上で整理するという従来の業務を省けます。
また、かさばる検査黒板の持ち運びも不要になるため、一人でも撮影ができるようになります。足場が狭い場所や悪天候の場合でも、配置・拡縮・レイアウトが自由に編集できます。
《導入メリット3》1クリックでエクセルの報告書を簡単作成
SPIDERPLUSは、スマホ・タブレット端末からアップロードされた写真(データ)をエクセル・PDFで帳票として出力できます。この機能により、誰でも簡単・スピーディーに報告書の作成を可能にします。
基本的な記録台帳・報告書の作成作業を簡略化することで、大幅な作業時間削減が期待できます。
DX導入が建設業界の未来を切り開く鍵
建設業界における施工管理担当者の人手不足が深刻化する一方、施工管理の需要は今後ますます増大していきます。
人材を確保するには、従来型の煩雑な施工管理業務を脱して、労働時間の削減と働き手のストレス軽減に取り組むことが必要です。それを考えたとき、業務効率化を実現できるDX導入は未来を切り開く大きな鍵となるでしょう。
今回紹介したSPIDERPLUSを導入することで、こうした施行管理に伴う図面管理、写真整理、帳票出力にかかる労力の大幅な軽減が可能。iPad端末を取りいれることで工事写真の紐づけから記録台帳・報告書の作成まで、オールインワンで容易に実現できます。
導入企業は2021年9月末時点で1,100社以上(契約ユーザー数は45,000人以上)、建設現場だけでなく、施設や設備の維持・メンテナンスなど、様々なシーンで利用が広がっています。
SPIDERPLUS について詳しく知りたい方は、お気軽に資料請求、お問い合わせください。
DXを推進したいけど何から始めれば良いか悩みを抱えている方からのご相談も大歓迎です!